まだ未定

好きなことをすきなように、自分の言葉で書いてみようと思って始めました。はじめまして。

ジョゼと虎と魚たち

今回でDVD借りて観たのは、4回目くらいだろうか。

残念ながら映画館では観たことがない。
非常に悔しい。

初めて見た頃は19歳の時だった。
テレビで見た、この映画の舞台挨拶で、主演の妻夫木くんが涙ぐんでいたのを、鮮明に覚えている。

ただ、19歳の時の私にはこの映画は理解できなかった。何も感じなかった。


それから、大学を卒業して、社会人になって少したったころ。(25、6くらいだったかな?)


きっかけは忘れたけど、改めて観た。


泣いた。
ジョゼの一途な気持ちに感情移入しすぎて辛かった。
でも、恒夫の正直な戸惑いや不安も共感できた。


好きだからこそ、身を引くときもある。
19歳の頃には理解できなかったことが、少し大人になってわかるようになったのだろうか。


私も色々なシチュエーションではあるが
好きだからこそ身を引いたことがあった。
それが正解か不正解かはわからないけど
当時の私はそれを選択したのだ。


私はキレイごとかもしれないけど
好きな人には一番いい形で幸せになって欲しいと思う。それを与えるのが自分であれば最高だ。

ジョゼも恒夫が大好きだったはずだし
むしろいろんなものを失ったジョゼには恒夫しかいなかったはずだ。


でも、いろんな感情を飲み込んで
ジョゼは重荷にならないよう恒夫と別れを決意した。


最後のシーン。車イスに乗って一人で颯爽と歩く姿。
家で魚を焼いてるときの、ジョゼの横顔。
どちらもカッコよくもあり、ものすごく切なくもある。


反対に恒夫は、昔の彼女と歩きながら
隣の彼女の声は全然耳に届かず
ジョゼを思い出して唐突に泣き始める。
とてもとてもとても切ない。
でもそれがあるから救われる。


見ると必ず切なくなるのに、また見たくなるのは、純粋な恋愛を見たいからだと思う。


恋愛をするのが苦手になってしまった私としては、ジョゼと恒夫のお互いに求め合う純粋な気持ちが輝いてみえる。
うらやましい。あんなふうに無条件に人を好きになることがまた私に訪れるのか、まだ謎である。